「着色料とは?」
合成着色料不使用によって、食の安全を訴える取り組み
食品企業の中には、合成着色料不使用によって、食の安全を訴える取り組みが広がっています。ある大手コンビニチェーンでも、弁当やおにぎり、サンドイッチ類などから合成着色料を使わない方針を展開しています。
合成着色料とは?
合成着色料は化学的に合成された色素で、石油から作られる「タール色素」が一般的です。食品添加物として指定された12種類の食用タール色素は、赤色2号、赤色3号、赤色40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号で、これらを一般に合成着色料と呼んでいます。
なぜ「合成着色料不使用」に取り組むコンビニがあるのでしょう?
まず大きな理由としては、1960年代に、それまでに認可していたタール色素に発がん性などが発見され、相次いで指定が取り消されたため、タール色素のイメージが非常に悪化したということがあります。それ以降は、食品用途には天然色素を利用することが多くなりました。
もう一つの理由は、イギリスの食品基準庁の動きです。合成着色料を摂取した子どもに多動性行動が見られたという研究報告を受けて、「子どもの活動や注意力に悪影響を与える可能性があります」という表示を義務化したんです。イギリスが表示を義務化した合成着色料のうち、赤色40号、赤色102号、黄色4号、黄色5号は、現在の日本で使われています。
ちなみに緑色3号は、日本やアメリカでは認可されていますが、EUでは認可されていません。認可していない国があると消費者は不安になると思います。
すべて天然着色料に置き換えればいいのでは?と思うかもしれませんが、合成着色料は少量で発色がいいのが特徴です。熱に強かったり、食品のpHの影響を受けにくかったりと、私も食品メーカー勤務時代には合成着色料をよく使用していました。
天然色素(天然着色料)ならすべて安全か?
天然色素(天然着色料)ならすべて安全かというと、そうでもありません。
植物のアカネから抽出したアカネ色素は、それまで認可されていたのに、発がん性があるとして2004年に禁止されました。
また、認可はされているものの、消費者庁が注意を呼びかけているのが、コチニール色素(カルミン酸色素)です。中南米原産のエンジムシという昆虫から得られる赤色の着色料で、加工食品だけでなく、口紅などの化粧品にも利用されています。
着色料の「コチニール」「カルミン酸」といった表示にご注意ください。かゆみなどの体調変化を感じた場合は、アレルギー科の専門医を受診する必要があります。原料のエンジムシ由来の特定のタンパク質が原因物質だろうと考えられているので、着色料メーカーでは原因タンパク質の低減化に取り組んでおり、安全性が高まっています。
カラメル色素とは?
日本国内で使用される着色料の、実に8割以上がカラメル色素です。
食品によく使われる天然着色料ですが、製造時の化学処理の有無によって、IからIVの4タイプに分類されます。もっとも自然なのは「カラメルI」で、亜硫酸化合物もアンモニウム化合物も使うのが「カラメルIV」です。EUでは、どのタイプのカラメル色素かを明記する必要がありますが、日本では区別は無く、全て「カラメル色素」もしくは「着色料(カラメル)」という表示です。
カラメルIなら安心して買えるのに!と考える消費者にとっては、すごく不親切な表示ルールになっているのが現状です。
安心で安全な食材の選び方をご紹介!
中戸川 貢(なかとがわみつぐ)
・一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会 代表理事
・加工食品ジャーナリスト
食品機械メーカー、清酒メーカー、お餅メーカー、醤油メーカー勤務を経て、2009年よりNPO法人「食品と暮らしの安全基金」で、主に加工食品のミネラル成分や食品添加物「リン酸塩」を調査。2013年に独立後、食品企業の衛生指導・販売支援を行っている。また、「現代食のミネラル不足」、「食品添加物」、「調味料の選び方」について、全国各地で講演している。2021年より一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事。
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