食材の選び方<醤油編>
「こいくち醤油」と「丸大豆醤油」
一般的によく使われる醤油を「こいくち醤油」といいますが、選ぶときは無添加の「丸大豆醤油」がおすすめです。
丸大豆というのは丸い大豆という意味ではなくて、丸ごとの大豆という意味です。
丸ごとではない大豆を脱脂加工大豆といいます。
日本では、大豆というのは豆腐にも納豆にも味噌にもなる農作物ですが、世界では、大豆の主な用途といえば搾油です。
大豆油を搾ったあとの搾りカスを脱脂加工大豆といい、主に飼料として利用されるのですが、醤油の原材料や、大豆ミートの原材料にもなるんです。
こいくち醤油の原材料は、大豆と小麦と食塩と水です。お米は使いませんよ。
蒸した大豆と炒った小麦を暖かい部屋でカビだらけにして「麹」にして、食塩水を加えてタンクで約6か月(またはそれ以上)発酵させたのが「もろみ」。
そのもろみを搾った液体が醤油です。
流通する醤油の8割以上は、大豆の代わりに脱脂加工大豆を使って作られています。 脱脂加工大豆の醤油も、これはこれで十分に美味しいのですが、やはり大豆を使った丸大豆醤油のほうが美味しくておすすめです。
一番のオススメは"天然醸造の丸大豆醤油"
次に、丸大豆醤油の中でもさらにおすすめなのが、木桶で仕込んだ醤油です。
コンクリート、FRP、金属製のタンクで発酵させた醤油も、品質が安定して美味しいのですが、杉の木の桶で仕込んだ「木桶仕込醤油」は、すごく個性があって美味しいですね。
木材の表面の微細な構造に醤油の発酵菌がすみつき、その蔵の気候風土に応じて、その蔵元にしか出せない風味や味わいを醸しています。
タンクで温度をコントロールせず、四季の温度変化による「天然醸造」というのが魅力です。
ぜひ、丸大豆の木桶仕込醤油を探してみてください。
スーパーで買うときにオススメなのは?
スーパーで醤油を買うときには、新鮮なおいしさを保つ「やわらか密封ボトル」に入った醤油がおすすめです。
容器が2重構造になっていて、酸素に触れにくい構造になっているんです。
酸素を遮断できれば、冷蔵庫に入れなくても美味しさは長持ちします。
中戸川 貢(なかとがわみつぐ)
・一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会 代表理事
・加工食品ジャーナリスト
食品機械メーカー、清酒メーカー、お餅メーカー、醤油メーカー勤務を経て、2009年よりNPO法人「食品と暮らしの安全基金」で、主に加工食品のミネラル成分や食品添加物「リン酸塩」を調査。2013年に独立後、食品企業の衛生指導・販売支援を行っている。また、「現代食のミネラル不足」、「食品添加物」、「調味料の選び方」について、全国各地で講演している。2021年より一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事。
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