食品表示の見方「どう変わる?食品表示ルール(前編)」

食品表示の見方「どう変わる?食品表示ルール(前編)」

新しい食品表示制度が始まり、原材料表示の食品と添加物を、/(スラッシュ)記号や改行で区切るルールになりました。

それ以外にも、ここ数年でさらに食品表示のルールが変わりそうなので、主なところをお伝えします。

 

「遺伝子組換えでない」の表記がなくなる?

まず「遺伝子組換えでない」という表記がなくなりそうです。

日本はEUなどと比べると基準がゆるく、「遺伝子組換えでない」という表示でも、遺伝子組換えの意図せざる混入率が5%まで許されていました(EUは0.9%まで)。

これをもっと厳しくしようということで、遺伝子組換えが「不検出」のときだけ「遺伝子組換えでない」と書けるようになります。しかし、この変更は「厳しすぎ」でして、多くの加工食品において「遺伝子組換えでない」と表示できなくなるんです(混入率ゼロは難しいので)。

 

2023年4月から施行される予定です。

例えば豆腐メーカーや納豆メーカーでは、せっかく遺伝子組換えでない大豆を仕入れても、表示で区別できなくなるのは困るということで、意図せざる混入が5%以下の場合は、今までの「遺伝子組換えでない」という表示の代わりに「分別生産流通管理済み」などと表示することができます。もしくは、原材料表示の枠外に、遺伝子組換えでない大豆を仕入れて使用している旨を任意で書くことができます。

 

いずれにしても、遺伝子組換えを避けたい消費者にとっては、以前より見分けにくくなるのは間違いありません。

 

ちなみに…ゲノム編集食品の表記は?

 

2021年はゲノム編集トマト、ゲノム編集マダイ、ゲノム編集トラフグといったゲノム編集食品の流通が始まった年ですが、ゲノム編集食品は表示義務がないので避けようがありません。知らずに回転ずしなどで食べる機会も増えそうです。

 

中戸川 貢(なかとがわみつぐ)
・一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会 代表理事
・加工食品ジャーナリスト

食品機械メーカー、清酒メーカー、お餅メーカー、醤油メーカー勤務を経て、2009年よりNPO法人「食品と暮らしの安全基金」で、主に加工食品のミネラル成分や食品添加物「リン酸塩」を調査。2013年に独立後、食品企業の衛生指導・販売支援を行っている。また、「現代食のミネラル不足」、「食品添加物」、「調味料の選び方」について、全国各地で講演している。2021年より一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事。

 

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