安全は当たり前、安心して食するとは

安全は当たり前、安心して食するとは

普通の栽培と有機栽培の違い

自然食品店はもちろん、スーパーでも有機栽培のバナナや野菜が売られていますね。
普通の栽培と有機栽培では、美味しさに違いがあるかもしれませんが、実は安全性に大きな違いはないんです。
いやそんなはずはない!と思うかもしれませんが、農薬にしろ添加物にしろ、多くの化学物質は「摂取量がこれ以下であれば健康への悪影響は生じない」と考えられる境界線がありまして、それを考えたうえで、国が残留農薬基準を設定しています。
ですから「有機栽培は安全!普通の栽培は危険!」という売り方はしません。どちらも安全でして、安全なものだけをお店で売っているんです。

なぜ有機JASマークが売れるのか

安全性が変わらないのに、高価な有機JASマークの野菜を選ぶ人がいるというのは、安心感があるからだと思います。ときどき、アサリやウナギの産地偽装問題がニュースになっているということもあり、そもそも表示を信じていない消費者が多いんです。
農家さんの自称「無農薬」野菜よりも、有機認証のほうが信頼できるというわけです。

 

安心できる選択を

有機野菜でなくても、いつ、どこで、誰が、どんな想いで育てたのか、そういう生産者のストーリーを正直に表示している野菜も、すごく安心できますね。
こういう「生産者の顔が見える野菜」はスーパーでもよく売れています。自然食品店の野菜は、有機栽培でなくても、値段が高くても、買う人がいます。
この場合は、生産農家さんではなく、販売店を信頼して、安心できるからなんですね。

食の安心と安全は似て非なるものです。どの食品も安全ですが、安心できる生産者、安心できる販売者、そういう食品を探してみましょう。安心できる食品が、美味しい食事、楽しい食卓につながっていきます。

 

中戸川 貢(なかとがわみつぐ)
・一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会 代表理事
・加工食品ジャーナリスト

食品機械メーカー、清酒メーカー、お餅メーカー、醤油メーカー勤務を経て、2009年よりNPO法人「食品と暮らしの安全基金」で、主に加工食品のミネラル成分や食品添加物「リン酸塩」を調査。2013年に独立後、食品企業の衛生指導・販売支援を行っている。また、「現代食のミネラル不足」、「食品添加物」、「調味料の選び方」について、全国各地で講演している。2021年より一般社団法人ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー協会代表理事。

 

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